それは、新たな「帝国主義」の到来と言えるかもしれない。
近年、グーグルやメタ(旧フェイスブック)など、GAFAMと呼ばれる米ITの巨大企業は自ら海底ケーブルを敷設して通信の世界をものみ込もうとしている。
海底ケーブルの主な利用主体は、2010年には約8割をNTTやKDDIといった通信会社が占めていた。だが、IT大手の利用が急伸。17年には通信会社を逆転し、その後全体の7割を占めるまでに増えた。
牽引(けんいん)しているのは、ユーチューブや検索サービスを持つグーグルだ。同社が海底ケーブルの敷設に参入したのは2010年。千葉と米国西海岸を結んだ「Unity」という名のケーブルだった。
以降、世界で32の海底ケーブルに投資してきた。当初は通信会社との共同事業が多かったが、近年では独自に建設を推し進めることも増えている。
通信が遅く、インターネット…