
政治の世界において、いかにして女性の存在感を高めるか。一つの方法が、選挙に出る候補者の男女割合を一定以上にする「クオータ制」だ。では、それはどの程度機能するのか。昨年11月のアイルランド総選挙で見えたのは、「万能薬ではない」ということだった。
人口約540万人のアイルランドでは、1月23日に新たな内閣が発足した。批判の声が寄せられたのは、女性の少なさだ。
政治とジェンダー 世界の現場を歩く
日本の政界は女性の割合が少ない。改善に向けた取り組みもあまり見られない。ただ、世界に目を向ければ、状況が異なる国もある。市民が声をあげ、あるいは制度を活用して、ジェンダー平等を実現しようとしている。そんな世界の現場を、記者が歩いた。
「有能な女性を昇進させて不均衡に対処するのではなく、またいつも通りで、『楽ちんボーイズクラブ』だ」
野党の女性議員はそんな声明を出した。閣僚15人のうち女性は3人にとどまり、前政権よりも1人減った。
目標引き上げ・違反で助成金半減 それでも女性当選者は25%
- 女性当選者最多でも、世界から立ち遅れる日本 ジェンダー庁をつくれ
今回の組閣は、昨年11月2…