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2025年1月14日、米ミズーリ州カンザスシティーにある「ニグロリーグ野球博物館」内で取材に応じたボブ・ケンドリック館長。館内には様々な用具やメモラビリアが飾られている=遠田寛生撮影
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 イチロー氏(51)が米野球殿堂に選ばれた。7月には肖像額が米ニューヨーク州クーパーズタウンにある米野球殿堂博物館に往年の名選手らと一緒に飾られ、球界の歴史の一部となる。

 同博物館をイチロー氏は7回も訪れ、23日で8回目となった。

 何度も訪れてきたのは「その(往年の)選手たちと、現代に生きる自分が、(かつて使用された)道具を触ることによって、話ができる感触があって気持ちいい」からだという。

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 その言葉を聞いて、クーパーズタウンから1900キロほど西のミズーリ州カンザスシティーにある別の場所を思い出した。

 今は消滅した黒人リーグの貴重な資料や道具などが展示されている「ニグロリーグ野球博物館」だ。人種差別により、大リーグでプレーできなかった黒人選手のために1920年に創設されたリーグの資料や選手たちの用具などを展示している。

 1月14日、私は同地を訪れ、野球博物館のボブ・ケンドリック館長に話を聞いた。野球の歴史を重んじるイチロー氏がマリナーズ時代に訪れ、話をする機会があったと聞いたからだ。

判明したイチロー氏の「来館履歴」

 ケンドリック氏に尋ねると、イチロー氏とは確かに会ったと認めた。2007年7月、イチロー氏が遠征でカンザスシティーに来たときだという。

 ただ、その話には続きがあった。

 「実はそれよりも前に、一般…

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