潜水艦の内部をイメージした「呉ハイカラ食堂」の店内で「テッパンカレー」を味わう倉本康子さん=広島県呉市宝町、上田潤撮影

 戦後80年の今を、各地の「食」を通してたどってみたい――。BS―TBS番組「おんな酒場放浪記」に長年出演し、広島県呉市の観光特使を務めるモデルの倉本康子さんが、そんな思いを胸に抱きつつ、自身のルーツを見つめます。

 祖父は呉海軍の航空隊員でした。私が生まれる3年ほど前に亡くなり、会ったことはありませんが、親族みんなが一番尊敬している人物です。

 同じ飛行機に乗るグループのリーダー的な存在でした。仲間と一緒の写真も残っています。プロペラ機で何回も墜落を経験したようですが、なんとかうまく着地できて助かったそうです。

 終戦間際に祖父は体を壊し、広島市内の病院に入る予定でした。でも満床で、呉の広(ひろ)の病院に入院しました。もし予定通り広島の病院だったら、原爆で運命は尽きていたと父から聞きました。

倉本康子さん

くらもと・やすこ 1974年生まれ。モデル。雑誌CanCamでデビュー、Oggi、Domani、LEE、STORYなどの誌上やファッションショーで活躍。洋服のプロデュースも。

 海軍ですから、祖父はカレー…

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