教育ジャーナリスト出身で元衆院議員の東京都世田谷区長、保坂展人さん(69)は、音楽フェスの企画に携わった経歴があり、日本最大級の野外ロックフェス「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(通称ロッキン)」を主催するグループ代表の渋谷陽一さんとも親交がある。いまに続く原点となったという、あるロック歌手との出会いについて話を聴いた。
喜納昌吉さんの家に住み込んで語り合った
私にとってロックといえば、沖縄出身の音楽家であり平和活動家の喜納(きな)昌吉さんをおいて語れません。
1960年代後半、私の中学時代ですが、いわゆる学生運動のまっただ中で、私も影響を受けていました。そこには限りなく(体制や主流派に対して)「NO」を突きつける価値観がありました。永遠に否定し続ける発想だけが信じられる、といったような。その価値観に影響され、私自身は深く世の中に絶望し、孤立していたように思います。
20代の頃、喜納さんと出会…