第11回鮮やかなカラー写真がつないだ希望　検察、証拠開示で方針転換

　袴田巌さん（88）の2回目の再審請求を申し立てて、2年ほどたった2010年3月。弁護団の小川秀世弁護士（72）の事務所の電話が鳴った。

　再審請求の審理を担当する静岡地検の検察官からで、転勤のあいさつだった。最後に言った。

　「証拠開示については上の方針が変わりましたから」

　1981年に始まった最初の再審請求審では、申し立てから2008年の棄却確定まで、何度求めても検察側は一切開示に応じなかった。ただ、第2次再審請求審になると、裁判所も検察に開示を促していた。

　「新たな視点が見つかるのではないか」。小川弁護士は期待した。

　約2カ月後。非公開の三者協…