京王線千歳烏山駅から徒歩5分。東京都世田谷区の旧甲州街道から一本路地に入ると、「小屋」が立っている。その目の前には、大きな垂れ幕がかかった集合住宅がある。

 「我々はサリン事件を忘れない!」「ひかりの輪、アレフ反対 解散せよ」

 公安調査庁によると、「ひかりの輪」や「アレフ」はオウム真理教の後継団体だ。この集合住宅の一室が「ひかりの輪」の拠点となっており、複数の信者が住んでいるという。

  • 「オウム」を暴走させた3つの転機

 小屋は、この部屋を監視するためにある。2001年以降、住民らが連日「見張り」を続け、信者獲得の行動などをチェックしている。地元の町会や商店街、PTAなど約30団体のそれぞれから人を出しているという。

「烏山地域オウム真理教対策住民協議会」の見張り小屋。「ひかりの輪」の活動拠点のそばに設置されている=2024年12月18日午後2時34分、東京都世田谷区南烏山6丁目

 活動の中心は「烏山地域オウム真理教対策住民協議会」。アレフが00年末に世田谷区の南烏山地区に拠点を設けたことを受け発足した。監視のほか、住民デモや啓発イベントの開催、ニュースレターの発行や活動資金を集めるための募金活動などもしてきた。会長の古馬一行さん(73)は「新たな信者を出さないとの思いで続けてきた」と語る。

 しかしここ数年、「逆風」を感じている。「デモをしていると『まだやっているの』と言われることが増えた。中心メンバーは70代。日々の監視にも限界がきている」と言う。

■目的は後継団体の活動停止と…

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