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連立政権の行方

 少数与党転落で岐路にある自公連立政権。水面下でやりとりされる連立政権の行方を追い、その先に待ち受ける政治の姿を展望します。

 暮れも押し迫った昨年12月28日昼。東京・銀座のフランス料理店で、首相の石破茂は「本当に大変な1年でしたね」と公明党代表の斉藤鉄夫にしみじみと語りかけ、お互いをいたわり合った。1年前、斉藤と自公両党のトップとして向き合うことになるとは想像すらしていなかった。

 とはいえ、石破にとって「ケミストリー(相性)が合う」と感じる斉藤が友党のカウンターパートであることは心強い。「いくら野党と話し合わないといけない場面があっても、まずは自公の関係がしっかりしていないとダメです」。石破がこう伝えると、斉藤は「党首会談を増やしましょう」と応じた。2人は前政権下では自公幹事長・国対委員長会談が停滞気味だったと振り返り、現政権では再び定例化することも決めた。

 斉藤は石破と同じ中国地方選出議員で、2人には自公の野党転落時にそれぞれ党幹部として連携し、両党関係の維持に尽力したという信頼関係がある。少数与党になって同様に苦しい局面だからこそ、石破にとって斉藤は頼れる相手だ。

 しかし、石破は斉藤の党内に…

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