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年の瀬の迫った2024年12月19日。京都府庁に法衣に身を包んだ僧侶たち3人が姿を現した。清水寺や金閣寺、東寺など約1千の寺院が加盟する「京都仏教会」の代表者で、用向きは府への申し入れだった。仏教会によると、府へ申し入れを行うのは初めて。知事の西脇隆俊(69)が出迎えたのは、その重みの証左だった。
「計画は千年の愚行であり、再考を強く求める」「トンネルによって京都の1200年の歴史と未来が揺らごうとしている」――。西脇に手渡された申入書には、激しい文言がちりばめられていた。やり玉に挙がったのは、京都に北陸新幹線を走らせる計画についてだった。
信越を通り東京と新大阪を結…