【動画】昨年4月、宮城県涌谷町で開かれた「第74回東北輓馬競技大会」の様子=NGO団体Life Investigation Agency提供
重りを載せたそりを引く馬が競走する宮城県涌谷町の「東北輓馬(ばんば)競技大会」で、馬を手綱などで繰り返したたいたとして、県警は出場者の男ら10人を動物愛護法違反の疑いで仙台地検古川支部に書類送検した。全国でも同様のケースで書類送検される事例が相次いでおり、伝統継承と動物保護のはざまで関係者の模索が続いている。
仙台地検によると、書類送検は21日付。告発状によると、男ら10人は昨年4月21日、涌谷町や実行委員会が主催した「第74回東北輓馬競技大会」の出場者で、レース中、むちや手綱などで馬の背中や尻を繰り返したたくなどしたとされる。
大会の様子を確認した長野県のNGO団体「LIA」が5月、県警に同法違反容疑で刑事告発し、遠田署が捜査していたという。
東北輓馬競技大会は、町や町観光物産協会、町民でつくる実行委員会が主催している。町によると、元々は農耕馬や林業で使う馬の力自慢として始まったものが大会となり、1950年の第1回大会を皮切りとしてこれまで続いていた。
今では町を代表する伝統行事の一つに成長しており、例年、多くの観客が訪れている。昨年の大会には14頭の馬が出場したという。町の担当者は、競技中に出場者が馬をむちでたたくなどの行為は「これまでも普通にあった」と話す。
各地で相次ぐ摘発受け、注意呼びかけていたが
むちでたたく行為を抑制的に…