次世代の乗り物として注目が集まる「空飛ぶクルマ」。各国企業が開発競争にしのぎを削り、これまでに1千機種以上が検討されてきた。ただ、国内を見渡すと、人を乗せて運ぶ商用運航への道のりはまだ険しい。(川原千夏子)
ゆっくりと飛び立った機体は、10メートルほどの高さまで浮上して東京の空を旋回した。
パイロットはハンドルから両手を離し、自動運転をアピール。東京都が5月、「2050年の東京を体感する」をテーマにしたイベント「SusHi Tech Tokyo」でテストフライトを披露した。
使われた機体は、米リフトエアクラフト社製の「ヘクサ」。18枚のプロペラが円形に配置され、その駆動部の下にあるかごのようなスペースにパイロットが座る。離着陸用のボタンがついた1本のハンドルで操縦する。
飛ぶ範囲を仮想の壁として設…