警視庁本部=東京都千代田区霞が関2丁目

 特殊詐欺の被害金をATMで引き出す「出し子」に指示を出したとして、警視庁と群馬、島根の両県警の合同捜査本部は、指定暴力団稲川会傘下組織の幹部組員金崎拓巳容疑者(49)=前橋市三河町2丁目=を窃盗などの疑いで逮捕し、5日発表した。「知りません」と供述しているという。

 合同捜査本部は、暴力団が組織的に特殊詐欺に関与した疑いがあるとみて、4日に金崎容疑者が所属する組織の事務所=群馬県太田市=を家宅捜索した。

 警視庁によると、金崎容疑者は別の人物と共謀し、2023年10月中旬ごろ、他人名義の複数の預金口座から計約190万円を引き出すなどした疑いがある。このうち一部の口座は、特殊詐欺の被害者が現金を振り込んだものだったという。

 合同捜査本部は昨年6月と10月、特殊詐欺の被害金をATMで引き出したり、他人名義のキャッシュカードを持ち運んだりしたとして、金崎容疑者の部下の組員2人を窃盗などの容疑で逮捕していた。その後の捜査で、金崎容疑者が指示した疑いがあることが明らかになったという。

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