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ブリュッセルで2024年10月16日、欧州連合(EU)と中東湾岸諸国の会議に臨むフォンデアライエン欧州委員長(左)とイタリアのメローニ首相=ロイター
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 イタリア政府が欧州連合(EU)域外のアルバニアに建設した移民の一時収容施設の運用を始めた。地中海から来る不法移民の上陸を阻む措置として、メローニ首相が主導してきた。難民申請の権利侵害などが懸念される一方、EU加盟国の一部では流入が止まらない移民対策の「手本」とする動きが広がる。

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 イタリアメディアによると、イタリア海軍の艦船が16日、伊南部の公海上で救出したバングラデシュとエジプト出身の16人を乗せてアドリア海に面したアルバニア北西部の町シェンジンに入港した。施設は港近くと約20キロ内陸の町ジャデルの2カ所で、イタリア側の審査を受けて難民と認められればイタリアに滞在できる。不認定の場合は送還される。

 イタリアは近年、北アフリカから地中海を渡る移民や難民の玄関口になっており、右翼政党を率いるメローニ氏は不法移民の流入阻止を公約に掲げて2022年9月の総選挙で勝利。アルバニアへの移送を「革新的な解決策」と呼び、EU域内への上陸を阻むことで密航の抑止を狙っている。

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