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建物がほぼ全焼した野中温泉=2025年1月24日午後3時3分、北海道足寄町、中沢滋人撮影
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 北海道足寄町の雌阿寒岳のふもとにあり、道内温泉ファンに秘湯として知られる「山の宿 野中温泉」(野中祐子代表)で23日夕、木造2階建て建物がほぼ全焼する火事があった。当時、宿泊客はなく、けが人などはいなかった。

 道警本別署と、とかち広域消防局によると、23日午後4時45分頃、調理場付近から火が出ているのを従業員が発見し、119番通報した。当時、建物や離れに、従業員や家族計2人がいたが、避難して無事だった。

 同温泉は、雌阿寒岳の登山口や同町の観光地の湖「オンネトー」にも近く、開湯100年を超える秘湯。硫化水素を含んだ独特の泉質と、シャワーやカランがない浴室のひなびた雰囲気で、道内外の温泉ファンに知られている。

 野中代表によると、建物と渡り廊下でつながっている浴室と脱衣所には被害はなかった。野中代表は「再開など、今はまだ全然考えられない状態」と話した。

 また、同温泉では7匹の猫が「看板猫」として来訪者に愛くるしい姿を見せていたことでも知られる。24日午後3時半現在で、そのうち2匹の行方が分からないままという。野中代表は「心配している。どこかに逃げていてほしい」。

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