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化粧まわしを身につけ、土俵の上で相撲甚句踊りを披露する力士たち=2024年9月15日午後3時6分、福井県敦賀市、全日写連・吉田俊雄さん撮影
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 福井県敦賀市の東浦地区で15日、いずれも県の無形民俗文化財に指定されている民俗芸能の「阿曽(あぞ)の相撲甚句」と「赤崎の獅子舞」が奉納された。秋の訪れを告げる伝統行事を一目見ようと、大勢の見物客が訪れた。

 阿曽地区の利椋(とくら)八幡神社では、家々に伝わる化粧まわしを身につけた10人の力士が境内の土俵の上で相撲甚句踊りを披露。男たちは唄にあわせて「ヤストコ、ヤストコ、ヤストコ、ショ」と声をあげながら踊った。踊りの後には、新米で作った力めし(握り飯)が観衆に配られた。

 子どもたちによる甚句踊りや奉納相撲もあり、阿曽区長の富樫義則さん(68)は「今年もにぎやかに開催できた。続けていく難しさがあるが、東浦の地域全体で次の世代に引き継いでいきたい」と話した。

 赤崎地区の赤崎八幡神社の秋季例祭では、獅子舞が奉納された。踊り子が肩車をして赤い頭の獅子が頭を持ち上げる「高山の舞」や、猿やてんぐらが登場し、眠った獅子をあやしにくると、獅子が怒って猿を振り飛ばす「寝の舞」などの演目が披露された。訪れた人たちは、笛や太鼓の音に合わせ、勇壮に繰り広げられる舞に見入っていた。(佐藤常敬)

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