写真・図版
北海道の担当者が私立学校でのいじめ重大事態に関する概要を説明した=2024年11月5日午後2時35分、札幌市中央区、古畑航希撮影

 北海道は5日、道内の私立学校で起きた2件のいじめ重大事態について、事案や再発防止策などの概要を公表した。学校からの調査報告を道のいじめ調査委員会が審議し、再調査は不要と判断され公表された。いじめ防止対策推進法が施行された2013年以降、私立学校のいじめ重大事態公表は道内で計11件になった。

 公表された概要によると、22年度以前、当時高校1年だった女子生徒が交友関係のない同級生の女子生徒2人から、複数回の悪口や嫌がらせを受けた。被害生徒はいじめのため体調を崩して長期間の不登校になり、その後転校したという。

 もう一件は、被害者の保護者の要望でいじめの内容など概要は非公表とされた。

 道のいじめ調査委は、いずれの事案についても「組織対応が不十分」などとして、学校側の初動対応の改善を求めた。道の担当者は、法で定められたいじめ対策の組織について「形骸化している」と指摘。「一部の教員が対応してしまった。管理職まで共有し、学校全体で取り組むべきだった」と言及した。(古畑航希)

共有