北海道は5日、道内の私立学校で起きた2件のいじめ重大事態について、事案や再発防止策などの概要を公表した。学校からの調査報告を道のいじめ調査委員会が審議し、再調査は不要と判断され公表された。いじめ防止対策推進法が施行された2013年以降、私立学校のいじめ重大事態公表は道内で計11件になった。
公表された概要によると、22年度以前、当時高校1年だった女子生徒が交友関係のない同級生の女子生徒2人から、複数回の悪口や嫌がらせを受けた。被害生徒はいじめのため体調を崩して長期間の不登校になり、その後転校したという。
もう一件は、被害者の保護者の要望でいじめの内容など概要は非公表とされた。
道のいじめ調査委は、いずれの事案についても「組織対応が不十分」などとして、学校側の初動対応の改善を求めた。道の担当者は、法で定められたいじめ対策の組織について「形骸化している」と指摘。「一部の教員が対応してしまった。管理職まで共有し、学校全体で取り組むべきだった」と言及した。(古畑航希)