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原発事故後に福島県双葉郡で発掘された出土品を眺める来場者

 古代、福島県の沿岸部には「ニュータウン」のような住宅地が広がり、関東や近畿の人々との交流があったのではないか――。東日本大震災と原発事故の復興事業にともなう埋蔵文化財の発掘調査で、そんな可能性が明らかになった。同県富岡町のとみおかアーカイブ・ミュージアムで開かれている企画展「発掘された双葉郡」で、事故後の調査成果が初めてまとまった形で紹介された。

 2011年の東京電力福島第一原発事故で甚大な被害を受けた福島県双葉郡では、道路の復旧工事や工業団地の造成などの復興事業が進められてきた。遺跡がある際は計画を変更するなどの対応がとられるが、どうしても避けられない場合は壊される前に自治体側が発掘調査し、記録を残す。これまでに双葉郡内6町の35遺跡で調査が行われ、今回の企画展では出土品約70点が展示されている。

 浪江町の郊外にある「北中谷…

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