手続きを怠り、国の補助金を受けられなかったことなどを福井県議会産業常任委員会で報告する稲葉明人・農林水産部長=2024年7月1日午後、福井県庁、永井啓子撮影

 福井県が、漁港整備事業に充てる国の補助金の受け取り手続きを忘れ、約4億6千万円をもらえない可能性があることが分かった。1日に開かれた県議会産業常任委員会で県が報告した。

 県農林水産部によると、2023年度に県や市町が行った漁港整備の水産庁所管の5事業で、職員が会計システムへの入力を失念したという。補助金の支払期限の今年4月30日、水産庁から指摘を受けてミスが発覚した。補助金はいったん県が肩代わりしており、事業に影響はなかった。水産庁と協議を続けているが、受け取れない場合は県の負担になるという。

 2018年度には、マハタの稚魚の生産施設の整備事業で、着工前にしなくてはならない補助金の交付申請を忘れ、約3億円を受けられなかったことも報告された。代わりに一般財源を充てたという。当時は公表していなかった。

 また、県財政課によると、18年度の健康福祉部の子育て支援関連の事業でも手続きを忘れ、補助金約610万円を受け取れなかったほか、13年度に安全環境部(現・エネルギー環境部)の事業で約29万円受け取れなかった例があったという。(永井啓子)

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