
福井市で1986年3月に起きた女子中学生殺害事件で、懲役7年の判決が確定して服役した前川彰司さん(59)の裁判をやり直す再審公判が6日、名古屋高裁金沢支部(増田啓祐裁判長)で始まった。有罪主張を維持した検察に対し、前川さんは公判後、「憤りはある。検察は間違っていた」と述べた。判決は7月18日午後2時。
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前川さんはこの日正午過ぎ、同支部前で支援者にあいさつ。「(事件発生当時と比べると)人相も若い時から変わったが、不変のものもある」とこの39年を振り返り、「再審法が変われば世の中がきっと変わる。私が先陣を切り、再審無罪確定まで必ず勝ち取り、みんなの思い、杯を飲み干そうと思う」と話すと、支援者から大きな拍手が湧いた。午後1時半すぎ、支援者に見送られ、弁護団とともに緊張した面持ちで入廷した。
弁護団は5人の弁護士が順に弁論を展開し、「警察官らが関係者に不正な供述誘導を行うなどして前川さんを陥れた冤罪(えんざい)事件だ」と捜査姿勢を批判。「一日も早く無罪を確定させなければならない」と述べた。
閉廷後の会見でも、弁護団や支援者は、新たな証拠を示さずに「被告人が犯人であることは間違いない」と改めて有罪主張をした検察側の姿勢を糾弾。「再審開始決定に異議申し立てをしなかったのだから、無罪主張もありうると期待したが、これまで通りの『通常運転』で組織の体面を守ることにしたようだ」などと強く非難した。
吉村悟弁護団長も、最高検察…