厚生労働省が入る合同庁舎=東京都千代田区

 国民健康保険(国保)や介護保険、75歳以上が入る後期高齢者医療制度といった社会保険をめぐり、厚生労働省が、株の配当などの金融所得について、保険料の算定対象を広げる本格的な検討を始めた。同省が25日、自民党の部会で検討案を示した。今後、議論が進められるが、保険料負担への理解や具体的な徴収方法をどうするかについて課題もありそうだ。

 同省が提示したのは、株や債券などの利子や配当による金融所得のうち、課税の手続きで確定申告をするかしないかを選べる所得について、社会保険料の徴収に反映させるようにするという案だ。

 金融取引の際、上場株式の配当など内容によっては、課税手続きで確定申告の要不要が選べる。ただ、現状だと、国保などは確定申告をした金融所得は社会保険料の徴収対象となる一方、確定申告をせずに源泉徴収を選んだ場合には、保険料の徴収対象にはならず、不公平との指摘があった。

 会社員らの健康保険は、確定…

共有