写真・図版
市立鳳至小学校の避難所の視察を終え、屋外で女性らと言葉を交わす石破茂首相(手前右)=2024年10月5日午後0時17分、石川県輪島市、代表撮影

 能登北部を襲った9月の記録的な大雨から2週間。石破茂首相と立憲民主党の野田佳彦代表が5日、元日の能登半島地震と大雨の被災地を訪れた。与野党党首の来訪を、住民はどう受け止めたか。

 地震の被災者向け仮設住宅が床上浸水した輪島市宅田町。家族で漁業を営む橋本幸子さん(50)は、視察に訪れた石破首相に水産業や暮らしの現状を話した。「心が折れてしまって」という言葉が漏れた。

 地震で自宅が全壊し、5月に仮設に入居したが大雨で浸水した。実家も全壊。「本当に頼れるところがない。早く安らげる場所がほしい」と視察後の取材に話した。「すごく過疎化が進んでいる地域。それでも見捨てないで目を向けていただきたい」

写真・図版
大雨で家屋が流失した現場を視察する立憲民主党の野田佳彦代表(中央)=2024年10月5日午前10時57分、石川県輪島市、大久保貴裕撮影

 石破首相は9月30日の記者会見で、衆院選を10月27日投開票の日程で実施する意向を表明した。床上浸水が相次いだ、この仮設住宅では「まだこの状態なのに選挙って、ちょっと、いかがなものかと」という声も出ていた。

 3世代5人で暮らす海女の門…

共有