浄土宗開宗850年を記念し、各寺院が所蔵する国宝や重要文化財を集めた「法然と極楽浄土」展が、京都国立博物館(京都市東山区)で開催中だ。東京、京都、九州の各国立博物館を巡回し、浄土宗の総本山がある京都は最多となる156件の出品。国宝「阿弥陀(あみだ)二十五菩薩来迎図(ぼさつらいごうず)」(早来迎、はやらいごう)や国宝「綴織當麻曼陀羅(つづれおりたいままんだら)」など、多くの名宝が公開されている。
一刻も早く極楽浄土へ
6日から始まった後期展示では、阿弥陀如来がこの世に現れる様子を描いた国宝絵画4点を集めた一室が設けられた。阿弥陀は浄土宗の本尊で、開祖法然(1133~1212)は、「南無阿弥陀仏」(阿弥陀仏に帰依します)とひたすらに称(とな)えることで極楽浄土に生まれ変わることができると教えた。
京都の知恩院が所蔵し、鎌倉時代に描かれた「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」は、臨終時に阿弥陀が迎えに来る「来迎図」の中でも傑作とされる。1934年以来となる修理を終え、公開された。
早来迎と呼ばれる理由は、斜…