百条委員会の調査報告書が兵庫県議会で可決、了承され、議員たちを見つめる斎藤元彦知事=2025年3月5日午前11時27分、神戸市中央区、有元愛美子撮影

 兵庫県議会は5日、斎藤元彦知事らが内部告発された問題を調べてきた県議会調査特別委員会(百条委員会)の調査報告書を、賛成多数で可決し、了承した。

 報告書では、告発文書を作成した元西播磨県民局長(故人)に対する「告発者捜し」や懲戒処分といった県の対応について、「公益通報者保護法に違反している可能性が高い」などと指摘した。斎藤知事による職員への叱責(しっせき)などについては「パワハラ行為と言っても過言ではない」と評価。パワハラを含む「七つの疑惑」を指摘した文書には「一定の事実が含まれていた」と結論づけている。

 報告書は、調査で明らかになった事実について改善するよう提言した。末尾の「総括」では「兵庫県のリーダーとして厳正に身を処していかれることを期待する」とも記しており、今後の斎藤知事の対応が注目される。

 報告書を起立採決する際、維新会派を抜けて無所属になった増山誠県議が反対し、岸口実県議が退席。維新の白井孝明県議も反対したため、全会一致にはならなかった。3人は、昨秋の知事選期間中に政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏への情報提供に関与したことが判明し、2月に維新から岸口氏は除名、増山氏は離党勧告の処分が出されていた。白井氏は5日の本会議前の県議団総会で離党の意向を伝えており、今後は無所属で活動するという。

 報告書が了承された本会議後に、斎藤知事が記者団の取材に応じた。斎藤知事はこれまで告発文書を「誹謗中傷性が高い」などと主張していたが、「議会側から一つの見解が示されたことは受け止める。ただ私としては、対応は適切だったと考えている」と話した。

 県の対応が「公益通報者保護法違反の可能性が高い」と報告書が指摘したことについては、「『可能性』ということなので、逆に適法の可能性もあるということで、意見が分かれるところだ」と述べた。

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