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富雄丸山古墳の造り出しで出土した木棺=2024年3月12日、奈良市丸山1丁目、今井邦彦撮影
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 日本最大の円墳で、2メートルを超える蛇行剣や、類例のない盾形銅鏡が出土した奈良市の富雄丸山古墳(4世紀後半)の被葬者は、仲哀天皇の皇子で応神天皇の異母兄、麛坂王(かごさかおう)とその妻ではないか。奈良市で講演した小笠原好彦・滋賀大名誉教授が、そんな説を打ち出した。

 市民団体の文化財保存全国協議会(文全協、事務局・奈良市)が1月25日に開いた歴史講座で、小笠原さんは「富雄丸山古墳の被葬者を考える」と題して講演した。

なぜ円墓だったのか

 直径約109メートルと日本…

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