アメリカマナティーのベルグ(左)とニール=2024年4月25日午後、高松市の新屋島水族館、増田洋一撮影
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 人魚伝説のモデルになった動物とされるマナティー。3種いる仲間の一つ、アメリカマナティーが見られる水族館は日本に2カ所しかない。高松市の新屋島水族館と沖縄県の美ら海水族館だ。

 屋島山上にある新屋島水族館には、オスのベルグ(34)とメスのニール(31)が生活している。胸びれのような前肢とうちわのような尾びれをゆらゆらと動かして泳ぐ。3年前から飼育を担当している三浦宏祐(こうすけ)さん(27)は「イルカのように活発に泳いでジャンプするというイメージを抱いている人もいるようですが、マナティーはゆったりした感じが魅力です」。癒やされると話す客が多く、一日中眺めている人もいるそうだ。

 祖先はゾウの仲間とされ、陸上で生活した名残でマナティーの前肢には爪がある。ジュゴンと同じ海牛目(かいぎゅうもく)に分類されるが、尾びれが違う。ジュゴンは二股に分かれているのに対し、マナティーは丸い。

 屋島の2頭は1、2歳の時、ドイツのニュルンベルク動物園からやってきた。二つの動物園の交友関係を築く目的だった。現在、ベルグは体長3~3.5メートル、体重約350キロ。ニールのほうが大きく、3.5~4メートル、約500キロある。

 2頭の体形や性格の違いを見分けるのも楽しい。

 日本の2カ所でしか見られないアメリカマナティー。それぞれ個性があるベルグとニールのかわいらしい癖やレアな寝姿についても紹介しています。

 ベルグは活発な性格で、好奇…

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