病は気から――。体と心の不調が関係する仕組みの一端を大阪大などのグループが見つけて米専門誌に発表した。感情をつかさどる脳の領域で働く遺伝子が、不安の抑制、太りやすさ、免疫とかかわることを突き止めた。グループは、心と体を一つのまとまりと考えると、新たな診断や治療法の開発につながる可能性があるとしている。
グループは、遺伝情報と体質などのデータベースから解析した結果、セマフォリン6Dという遺伝子に注目。この遺伝子が働かないように操作したマウスを作成した。
この遺伝子欠損マウスを、壁がある橋とない橋のどちらにも行けるようにすると、壁がない橋を避けるなど、普通のマウスより強い不安を示した。こうした結果からこの遺伝子には、過度な不安を抑える働きがあると推定された。
高脂肪食を与えた遺伝子欠損マウスは、太りにくく、強い炎症がみられた。この遺伝子には、エネルギーをため、過剰な炎症を抑える役割があるとわかった。
さらに詳しく調べて、この遺伝子が別の遺伝子とともに働き、交感神経の信号を抑えることで、肥満や免疫の調節とかかわることを確認した。
これら二つの遺伝子が働いて…