性売買 買う側の責任は
  • 写真・図版

 売春の客待ちをする女性の摘発が続いています。なぜ取り締まられる側が女性に偏るのでしょうか。20代でデリバリーヘルスの勤務を経験したつばきさんは、性を売る側と買う側は対等ではなく、性を売る女性への社会のまなざしの理不尽さを痛感したと話します。(聞き手・大貫聡子)

     ◇

 24歳の時、地方都市で性売買をしていました。きっかけは詐欺被害に遭ったこと。消費者金融の借金80万円を返そうと、SNSに出てきた「コンパニオン、時給7千円」という広告を見て店に面接に行ったら、デリバリーヘルスだったのです。だまされた!と思いましたが、当時は仕事にストレスを抱え、すでに親に借金をしていたため誰にも相談できませんでした。

 金銭や人間関係で追い詰められた女性にとって、性産業は当時もいまも非常に身近な存在です。業界は常に新しい女性を必要としているので、「短期間」で「ラク」に「高収入」を稼げると勧誘します。しかし実際は高収入ではありません。繁忙期と閑散期の差が大きく、客待ちの間はたいてい無給です。私も結局、性売買では借金を完済できず、債務整理しました。

 性売買は買う側と売る側の力…

共有