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折り鶴を手にする被害にあった男児=2024年9月5日、札幌市、古畑航希撮影
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 札幌市の小学生男児が中学生の男子生徒から性暴力を受け、市教育委員会がいじめ重大事態と認定していたことが4日、分かった。生徒は断片的な性知識をもとに加害に及び、少年事件に発展。市教委は8日に調査結果を公表する。

 2021年5月、札幌市の男児(当時小学校低学年)は、スポーツ少年団で知り合った男子生徒(当時中学生)から性暴力を受けた。

 事件資料などによると、生徒は公園で男児の手をつかみ、性器を触らせた。男児は嫌だと訴えたが、聞き入れられなかった。翌日も行為は続いた。生徒は男児を遊びに誘い出して公園のトイレの個室に連れ込み、ズボンを下ろさせ壁に手をつかせた。性行為を試みようとしたができず、未遂に終わった。

 数日後、性器を触らせる行為を目撃した近所の人から話を聞き、男児の母親(40)は警察へ通報した。

 その後の警察などの調べで、生徒は友人が初めて射精をした話を聞き、自分もやってみたいと興味を持ったという。「好きな女の子にしたいけどできない」。こう思い、近所に住む後輩で「なんでも言うことを聞いてくれると思っていた」男児を選んだ。

 事件の4カ月後、14歳未満だった生徒は強制わいせつと強制性交未遂の非行事件として、保護観察処分を受けた。札幌家裁は事件の背景として、生徒がインターネットで性に関する断片的な情報を得て、正しい性知識を身につけていなかったことや、資質として相手の立場や心情に配慮する社会性がなく、年下など自分より立場が弱い者に対して強く振る舞う傾向を指摘した。

「もっと性の知識があったら」、少年の後悔

 母親はその後、学校や市教委…

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