コロンビアのカリで21日、国連の生物多様性条約締約国会議(COP16)が始まる。COP15では2030年までの国際目標を決めたが、進展にはばらつきがあり、取り組みをどのように評価するかの議論はこれからだ。生き物から得られるデジタル情報の取り扱いなど、先送りされた論点も残る。

 22年にカナダ・モントリオールであったCOP15では、30年までに「ネイチャーポジティブ」とも言われる、生物多様性の損失を止めて回復させることを掲げた国際目標が採択された。陸や海、川などのそれぞれ30%以上を保全する「30by30」や、企業などの生物多様性に関する情報開示、侵略的外来種対策、有害な補助金の特定や見直しなど、23項目が盛り込まれている。

国連の生物多様性条約締約国会議(COP15)の会場=2022年、カナダ・モントリオール、矢田文撮影

 CO2の量が指標になる気候変動と異なり、生き物や生態系の多様な側面を扱う生物多様性は画一的な評価が難しい部分がある。会合では、目標達成に向けた進み具合などを把握できるように、各国の取り組みを評価する手法などをまとめることをめざす。

利益生むDNA情報、扱いがカギ

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