近くに店がなくなれば、住みにくくなり、人口減に拍車をかけかねない。人口が少ない地方でも、地元の要望があれば出店を検討するセイコーマートを運営するセコマ(札幌市)の丸谷智保会長(70)に政治に求めることを聞いた。
買い物困難者
買い物困難者 65歳以上の高齢者のうち、約4人に1人が食品を日常的に買うのに苦労している。農林水産省の農林水産政策研究所の推計によると、自宅から直線500メートル以内に食料品店などがなく、車も利用できない65歳以上は、2020年時点で全国で904万人。このうち北海道は44万人。いずれも65歳以上の人口の約4分の1を占める。食料品店の減少や大型商業施設の郊外化、公共交通機関の廃止などで、地方だけでなく都市部でも困難を感じる高齢者が増えている。今年に入り、イトーヨーカドーと西友が道内から撤退することを相次いで発表した。
「採算が厳しいことを覚悟して、今まで人口が少ない地域に出店した店舗はかろうじて黒字になっているが、これまでのケースよりもっと難しい地域に出店してほしいと思う人はまだまだいるだろうし、人口減少が進めば増えていく可能性がある。しかし、すべての要望に応じるのは一民間事業者としては難しい。公設民営型も一つの策になると思う」
「これまでも小清水町や紋別市上渚滑町などでは、自治体と協力して出店してきた。自治体の施設などを利用するなどでコスト負担が減ると、人口が少ない地域でも採算がとれる店にできる可能性が出てくる」
「豊富町では、公共施設の売店の商品を近隣のセイコーマート店舗が用意して、役場の職員などが届けている。下川町の店では、町とのまちづくり協定に基づいて電話で注文を受けた商品を、地元のタクシーが貨客混載で届けている。地元のタクシー会社の協力があっての取り組みとなっている。自治体と企業が連携して、店を維持したり食品を届けたりする取り組みは広がっていくだろう」
「自然減を食い止めることは…