湯浅六花さん(中央)の意見に耳を傾ける委員(手前)=2025年1月21日午後5時47分、京都府宇治市議会、北川学撮影

 市立中学校の校則のあり方についての請願を市議会に提出した、京都府宇治市立中学校3年の湯浅六花(ろっか)さん(15)。付託を受けた委員会は、その訴えを「不採択すべきもの」と決した。湯浅さんは何を訴え、委員はどう判断したのか。

 1月21日の宇治市議会文教・福祉常任委員会。湯浅さんが提出した請願の審査が、午後5時20分に始まった。湯浅さんが平日でも参考人として出席できるよう、設定された時間だ。

 湯浅さんは市立中学校で校則を作るにあたり、①さまざまな立場の生徒も交えてルール作りができる土壌をつくる②生徒が自主的に行動できる雰囲気を市全体でつくる③作成に至った経緯も含めてホームページに掲載する――ことを市や市教育委員会に求め、昨年12月に請願を提出した。

 湯浅さんは参考人として、思いの丈を語った。

 「私の学校には生徒手帳がなく、校則等のルールが常に確認できる形で明記されていない。ルールというものは常に確認し、行動の指針にするため、いつでも誰でも確認できる形であるべきではないのか」

 「そもそもルールを決める根拠や、その根底にある価値観や判断基準はどこにあるのか疑問を持った。いろいろ調べたり本を読んだり、文部科学省の生徒指導提要を読んだりした。何でこれができていないんだろうと思うようなことがたくさんあった」

 「もっと学校に、勉強以外の学びの機会が増やせたらと思った。生徒たちが言われたことに従うだけでなく、自分で考えて行動できるようにしてほしい。そのためには、まず今の学校の校則のあり方を見直してほしいと思った」

 中学1年のころは、府外のインターナショナルスクールに通った湯浅さん。当時は髪の毛を赤や黄に染めていた。自由な校風だったが、生徒自身が話し合ってルールや約束事を作り、守っていたという。そんな雰囲気を宇治市のすべての公立中学校に広げたくて、請願に訴えた。

 湯浅さんは、こんな問題提起で冒頭の発言を終えた。

 「学校がもっと寛容に、様々な個性を認め、例えば不登校の子、学校が苦手な子、何らかの障害のある子、外国にルーツのある子、生徒会に関わったりクラス活動に参加したりするのが苦手なタイプの子まで、あらゆる子どもたちの意見を聞いてルールメイキングできる場になれば、社会自体がもっと生きやすくなっていくのではないか」

「政治的な介入と取られかねない」

 続いて質疑が始まった。ある…

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