【楽問(がくもん)のススメ】
学校、趣味、学び直し……。「学ぶ」「教える」の現場にいる方に取り組みや魅力を聞きます。今回はNPO法人「自然環境アカデミー」の野村亮さんです。
活動拠点の東京都福生市を中心に、多摩地域の小学校や保育園で体験型の自然教育授業をしています。
テーマは「自然から学ぼう」。多摩川での魚捕りや、野鳥観察、雑木林や街路樹の茂みで生活している昆虫採集などをしています。
一昔前と比べると、人間と自然の距離は遠くなってしまいました。子どもたちの娯楽も多様化し、昆虫や魚を見たり触れたりした経験がない子が多いと感じています。
先日、小学校で授業をしたときの話です。もうすぐ水泳の授業が始まるので、プール掃除の一環でヤゴを捕まえました。水がたまったままのプール内には、たくさんのヤゴが生活しています。
言わずもがなですが、ヤゴはトンボの幼虫です。しかし、子どもたちの3人に1人は「ヤゴってなに?」と首をかしげていました。
中には、プールで泳いでいたアメンボを「ヤゴだ!」と捕まえる生徒も。子どもたちにとって生き物が身近ではなくなってきているんだな、と改めて感じました。授業を通じていろんな昆虫や魚と出合い、生き物に興味をもってくれたらうれしいです。ただ、実はもっと伝えたいことがあるんです。
具体的なエピソードを交えながら紹介します。
昆虫採取から導く、人間関係のコツとは…
授業の中で、カメムシやスズ…