琵琶湖に無許可で造成された道路=滋賀県提供

 滋賀県高島市の琵琶湖の水面を、無許可で埋め立てて道路を造成したとして、滋賀県は造成の行為者を河川法違反の疑いで高島署に告発した。3日付。琵琶湖の埋め立ては1973年以来、認められていない。県の担当者は「前例がなく悪質」と判断し、告発に踏み切ったとしている。

 県によると、埋め立てられたのは同市安曇川町南船木地先の水面。安曇川の河口近くで、幅3メートル、長さ約70メートルの道路がつくられ、陸地と対岸の湿地帯を結んでいる。人力で造成は不可能とみられ、重機などを使った可能性があるという。

 発覚したのは3月10日。県高島土木事務所に匿名で「琵琶湖に道路ができている」との電話があった。県が現地で確認したところ、同月18日に「例の道路は、私が勝手につくった」と造成したとする行為者から連絡があり、県は原状回復を求めた。行為者は口頭で原状回復する意向を示しているが、埋め立てた目的などは説明していないという。

 琵琶湖の埋め立てについては、73年に当時の野崎欣一郎知事が「琵琶湖の意義の重大性に鑑み、原則として認めない」と表明した。県の担当者は「埋め立ては50年以上認めたケースはない。こんな大規模な埋め立ては悪質で論外。きちんと捜査してもらう」としている。(武部真明)

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