京都大学大学院工学研究科の秋山みどり助教=2024年6月、京都市西京区、北村有樹子撮影

 日本の大学には理工系の女性学生が極端に少ない。女子中高生に興味を持ってもらい、女性研究者や技術者を育てるための無料イベントが関西一円の大学などで7月から開かれる。京都大学大学院工学研究科の秋山みどり助教に、これまでのあゆみや、女子生徒へのメッセージを聞いた。

 ――理系に進んだ経緯は何ですか。

 筑波大学付属高校(東京)の2年生のころ、理系か文系かどちらを選ぶか悩みました。「何となく理系を選んだ」のが正直なところです。どの学問を究めたいか、その時点でははっきりしていなかったので、入学後に学部を選ぶ形式の東京大学を希望し、理科一類に入学しました。

 大学1年生のとき、化学の授業で印象的だったエピソードがあります。教授が「研究を始めると自分の作った分子がペットみたいにかわいい」と話していました。「私も、自分だけのオリジナル分子を作りたい」と考えるようになり、工学部化学生命工学科に進み、有機合成化学を学び始めました。

 ――その後、大学院に進んだのですよね?

 大半の同級生と同様に、自然な流れで大学院の修士課程に進学しました。ただ、博士課程に進むのは2~3割程度。修士時代に就活イベントにも行きました。

 しかし、実験や研究にも慣れて、研究の楽しさも増えてきたころです。「もう少し続けると、違う世界が見えるのではないか」と考え、進学を選びました。

 博士の学位を取得し、特任助教をつとめた後、2022年4月に京都大に移りました。今はフッ素を使った機能性分子の開発に取り組んでいます。

 ――学部や研究室に女性が少ない環境はどうでしたか?

 理科一類の同級生は40人で…

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