(25日、第106回全国高校野球選手権南北海道大会函館地区Bブロック2回戦 函館中部0―5知内)
知内の4番打者、湊皇凱選手(3年)は昨夏からのレギュラー。昨夏の地区大会代表決定戦で敗れた函館中部から先制打を放つと、三塁打、二塁打と連打した。
この日、左打ちの強打者は全安打を逆方向へ運んだ。球場に到着してスコアボード上の旗を確かめた。レフトへの風だった。「引っ張るのはやめて、相手投手の外角を狙う」と決めた。
「昨夏は自分のことしか考えられなかった」という湊選手は、副主将になって変わった。打順も3番から主砲へ。吉川英昭監督も「自分の打席の後、4番打者として仲間に相手投手の特徴を伝えている。成長を感じる」と目を細める。
町立の知内は一昨年夏、坂本拓己投手(現ヤクルト)を擁して南北海道大会で準優勝を果たした強豪。道内各地から部員が集まる。新チームについて吉川監督は「メンタルを鍛えて、挑戦者になるところから始めた」と語る。
この日、初打席以外は先頭打者で迎えた湊選手の個人的な目標は「得点圏打率5割」。「粘り強く戦い抜く」というチームの目標達成のために欠かせない存在となっていた。(野田一郎)