あの日、石川県珠洲(すず)市で映画を撮っていた男性がいる。自らも避難生活を送りながら、その後も撮影し続けたのは、被災地が再び立ち上がろうとする姿だった。まずは6月、金沢市内での上映を目指している。
東京都町田市に住む映像作家の有馬尚史さん(36)が撮影を始めたのは、昨年5月だった。舞台は、その月に震度6強の強い揺れに襲われた能登半島の珠洲。復興に焦点をあてたドキュメンタリー映画をつくれないかと考えた。
珠洲に入り、地元の人と話をするなかで、「キリコ祭り」のことを知った。
巨大な灯籠(とうろう)であ…