ボートに衝突され、3人が死傷した猪苗代湖の現場付近=2021年9月3日、福島県会津若松市、上田真仁撮影

 福島県の猪苗代湖で2020年、モーターボートを操縦し小学生ら3人に衝突して死傷させたとして、業務上過失致死傷罪に問われた元会社社長の佐藤剛被告(47)について、仙台高検は27日、逆転無罪とした二審・仙台高裁判決を不服として、最高裁に上告した。

 一審・福島地裁は、被告が湖面に浮くマネキンを視認できたとする警察の実況見分などを根拠に、被告が前方確認を怠ったなどとして有罪と判断。一方で高裁は、マネキンは人体より目立つことや着衣の色が異なることなどを問題視。「一審判決は視認距離に関する証拠評価を誤った。被告の過失は認められない」と結論づけた。

 吉川崇・次席検事は「上告審での適正な判断を求めるため」、被告代理人の吉野弦太弁護士は「証拠を隠すなど不適切な対応を繰り返した検察側に適法な上告理由はないものと考えている」とコメントした。

共有
Exit mobile version