朝日新聞鹿児島総局が入るKKB鹿児島放送の屋上に作ったビオトープ。夏に大きな危機を迎えたが、その後、自然のたくましさに驚かされることになった。

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7月23日のビオトープ。植物がいい感じに育ち、ミジンコやヤゴが水の中を動き回っていた
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 ビオトープを立ち上げたのは6月3日。鹿児島市の甲突川のほとりで採取した石や土、植物を使い、プラスチックのコンテナの中に水辺の生態系を再現した。11日後にはごま粒ほどの大きさの水生昆虫チビゲンゴロウの姿を確認。コマツモムシやトンボの幼虫のヤゴなども次々と現れ、環境を整えれば生きものが寄ってくるさまを目の当たりにした。

 この後、県警の隠蔽(いんぺい)疑惑や知事選、高校野球が重なったこともあって、ビオトープから足が遠のいてしまった。約1カ月ぶりに観察したのは梅雨明け後の7月23日。猛暑の日も増えていたが、ほどよい水位が保たれ、植物は力強く立ち、ヤゴは大きくなっていた。ビオトープの保水力や生命力の強さを感じ、「ほったらかしても大丈夫」と油断してしまった。

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8月23日。砂漠のように干上がり、タデ類がわずかに生き残るだけだった

 これがいけなかった。さらに1カ月放置を続け、8月23日に見に行くと、ビオトープは砂漠のように干からびていた。気象台の観測データを見ると、この1カ月間の降水量は30ミリほど。タデ類がわずかに生き延びたが、多くの植物や虫たちを死なせてしまった。同時期にビオトープを立ち上げた宮崎や大分の同僚が、「水を入れたらまたすぐにミジンコが湧きますよ」と励ましてくれた。

 今さらジタバタしてもしょう…

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