5月8日に群馬県の自宅で緊縛強盗の被害に遭った男性の腕には、粘着テープで縛られたときにできた傷痕が残っていた=2024年5月10日、群馬県安中市松井田町、宮島昌英撮影
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 4月下旬以降、栃木、長野、群馬、福島の各県で緊縛強盗の被害が相次いでいる。現場はいずれも山あいで、住宅が密集していない場所の一軒家。主に一人暮らしの住人が就寝中に侵入され、縛られ現金を奪われた。類似点が多いことから、各県警は関連を調べている。

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 福島県警によると、14日午前1時過ぎ、栃木県との県境にあたる福島県南会津町で、60代女性から、女性宅に「男が入ってきてお金を取られた」と110番通報があった。複数の男が押し入り、現金1万数千円を奪って逃走した。

 女性は一人暮らしで、就寝中だった。手首などをテープのようなもので縛られ、顔に布のようなものをかぶせられた。男らは少なくとも2人おり、片言の日本語で「金、金」と要求してきたという。

 女性は男たちが逃げた後に自力で拘束を解き、近くの親戚宅に助けを求め、自身で110番。手首に擦り傷を負い、県警が強盗致傷事件として捜査している。

 4月30日~5月8日に起きた栃木、長野、群馬3県での緊縛強盗事件では、犯人は2人組の男とみられている。このうち、群馬県の被害者の男性(70)は、就寝中に男のひとりに馬乗りされ「騒ぐな、殺すぞ」と脅され、約8万円を盗まれた。「年寄りの1カ月分の給料を取られたが、命は助かった」と話す。(酒本友紀子、小寺陽一郎、宮島昌英、高橋淳)

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