北九州市小倉北区で2017年5月、木造アパート「中村荘六」が全焼し6人が死亡した事件で、福岡県警は遺族や重傷者らに「犯罪被害給付制度」の特例を適用する方針を決めた。県警幹部らへの取材でわかった。「7年」と定められた期限を過ぎていたが、容疑者の逮捕・起訴に7年超かかったことを考慮した。
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同制度は、被害者支援を目的に国が給付金を支払う制度で、死亡者の遺族には最大2964万5千円、重傷者などに同120万円、障害が残った場合は同3974万4千円が支払われる。法律上、犯罪発生から7年経過すると申請できないが「やむを得ない理由」があれば認められる。
北九州市の火災では、県警が直接証拠を得られず捜査が長期化。容疑者が殺人や現住建造物等放火の罪で今月17日に起訴されるまで約7年5カ月かかった。
県警はこうした捜査の長期化は「やむを得ない理由」に該当すると判断。警察庁とも協議し特例適用を決めた。容疑者は起訴内容を否認しているが、県警によると、「犯罪」か否かは警察側で判断でき、裁判結果によらず給付されるという。
申請期限を延長する特例は…