長野県松本市内の繁殖場から、埼玉県内の別の業者のもとに移送された犬たち。全身が毛玉におおわれていたため、バリカンで毛を刈られている=2021年9月8日、太田匡彦撮影
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 長野県松本市にあったペット繁殖業者「アニマル桃太郎」が400匹超の犬を虐待したとして、動物愛護法違反(殺傷、虐待)などの罪に問われた会社役員、百瀬耕二被告(63)に対し、長野地裁松本支部(永井健一裁判長)は10日、懲役1年執行猶予3年、罰金10万円(求刑懲役1年、罰金10万円)の判決を言い渡した。

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 起訴状などによると、被告は2021年9月、市内の2カ所の犬舎で飼育していた400匹超について、清掃を十分に行わない不衛生な環境下で病気や呼吸異常などにより衰弱させ、虐待したとされる。

 また、獣医師免許がないのに、妊娠したフレンチブルドッグとパグの計5匹を麻酔をせずに帝王切開して腹部を傷つけた罪や、シーズー犬8匹に必要な予防注射を受けさせなかった狂犬病予防法違反罪でも起訴された。

 弁護側は、虐待した罪と狂犬病予防法違反の罪については認めた一方、腹部を傷つけた罪については「手術前に鎮痛剤を投与しており、犬は痛みを感じない状態だった」と否認し、執行猶予付きの判決を求めていた。(菅沼遼)

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