日本国内有数の温泉街の静岡県熱海、伊東、伊豆3市で、年間宿泊客数がコロナ禍前の水準までほぼ回復した。コロナ禍前という「壁」を超える「完全復活」の鍵はインバウンド需要が握っているとみて、各市とも訪日外国人の誘客に躍起だ。
2023年度の熱海市の宿泊客数(入湯税ベース)は前年度比19・2%増の296万9420人で、コロナ禍前(18年度)の約309万人の96%の水準にまで回復した。斉藤栄市長は5月の定例記者会見で、ランドマークの一つ「ホテルニューアカオ」の営業再開や新施設の開業、年間を通して開催されている海上花火大会を2回追加開催したことなどを「温泉街復活」の要因として挙げた。
伊東市の宿泊客数は前年度比5%増の259万400人だった。18年度の約91%にとどまったが、日帰り客を含めた来遊客数は4年ぶりに600万人の大台を超えた。小野達也市長は定例会見で「誘客対策を切れ目なく実施し、緩やかに回復してきている」との認識を示した。
伊豆市も回復基調は同じで、宿泊客数は前年度比4%増の76万1849人で、18年度の約94%だった。
「完全復活」の鍵はインバウンド客獲得
国別外国人観光客数の推移を…