
熊本県宇城市豊野町に本社を置く肉用牛の生産販売会社「杉本本店」が、イスラム圏への販路を急拡大して注目されている。2021年に同社の黒毛和牛ブランド「黒樺牛(くろはなぎゅう)」の輸出をスタートすると、3年後には輸出額が10億円を突破。農林水産省は「輸出の取り組みの手本となる」として、同社の牧場を「フラッグシップ輸出産地」に認定した。
イスラム圏に食品を輸出するには「ハラール認証」の取得が必須になる。ハラールとは、イスラム教において「許されている」の意味のアラビア語。宗教と食品衛生の専門家によるハラール認証機関が検査する。
この仕組みが国によって異なるため、認証の取得は輸出事業の「関門」になる。イスラム教が禁じる食品としては豚肉が知られるが、豚肉そのものだけでなく、豚に由来する成分が入った食品や、豚が含まれた餌を食べた家畜も禁じられるなど、難しい。
杉本本店は牧場・加工場の衛…