旅するチョウとして知られるアサギマダラの「新しい宿」が熊本県高森町の山中にできた。植林されていたスギ林を伐採した跡にヒヨドリバナの花畑ができ、昨夏からアサギマダラが現れるようになった。朝夕の涼しい時間帯には数十頭が飛び交っている。
阿蘇の東外輪山の一角でアサギマダラを見守っているのは、熊本市から移住してきた山口貴佳代(たかよ)さん(52)。2019年、大分県境に近い多々野地区にある古民家と山林2ヘクタールを購入した。
22年2月にはケヤキやクヌギなどの落葉樹を残してスギ林のほとんどを伐採。一帯を「多々野の杜(もり)」と名付けて、多様な生き物が集まる環境づくりを進めている。
スギ木立がなくなり、日差し…