中札内村日高山脈国立公園化PR事業委員会と北大山岳部などが制作したカムイエクウチカウシ山山頂から撮影したVR体験動画の一部。VR用ゴーグルで360度の風景を楽しめる=中札内村観光協会提供
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 日高山脈一帯や襟裳(えりも)岬の周辺海域が25日に国立公園に指定された。全国で35カ所目。日高山脈は険しい山々が連なり、手つかずの自然が多く残る。登山上級者向けの山がほとんどで、一般の人が観光できる場所はそれほど多くない。そこで、ふもとで観光を楽しんでもらう工夫が次々と生み出されている。

 中札内村観光協会は今春、「日高山脈ビューポイント」マップを作成した。道の駅なかさつないの観光案内所などで約7千部を作成し、無料配布している。村観光協会のサイトでも公開している。

 地域おこし協力隊員だった写真家の町田仁志さん(63)が制作を担当。ジャガイモの花が咲く畑や、紅葉で黄金色に染まった針葉樹越しの山々など絶景ポイント26カ所を紹介している。

 同村観光協会によると、これまで村内の撮影スポットを紹介する地図がなく、観光客から「山がきれいに見える場所はどこか」「山の名前を教えてほしい」などという問い合わせが多かったという。警察などとも調整して、安全に撮影できる場所を選んだだけでなく、畑や牧草地、私有農道には決して入らないよう注意も呼びかけた。

 町田さんは日高山脈が「ヒマラヤの景色に通じるものがある」と話す。今年3月までの3年間、村に住み、日高山脈の風景を撮りためてきた。

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