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下が問題、上が解決のカード。縦8.8センチ、横6.3センチ。「解決」には道具などのアイテムのほか、助けてくれそうな大人の絵もある
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 津波に襲われたまちで、取り残されている人がいる。避難所で夜泣きしている子がいる――。そんな場面を題材にしたカードゲームができた。作ったのは、南海トラフ地震への備えを進める宮崎県の沿岸部にある高校。遊びを通して子どもたちに、自分も誰かを救えることに気づいてほしい。そんな思いが込められている。

 ゲーム名は「私が来たからもう大丈夫!」。カードは問題20枚と解決用のアイテム53枚の計73枚で、問題には「親とはぐれた子ども」「日本語がわからない人」など、被災地や避難所で困っている人物が描かれている。アイテムの方は、食料や水、薬、医師やレスキュー隊の絵だ。

 2~6人の参加者にアイテムを配り、中央に問題を裏返しで積んでゲーム開始。問題をめくって、参加者が解決に使えそうなアイテムを出し合い、解決策を話し合う。意見がまとまったら、次の「問題」に取り組む、というものだ。

 作ったのは県立門川高(門川町)の探究学習グループ「地域防災班」。町は日向灘に面し、南海トラフ地震では最大12メートルの津波が想定されている。

 このため同校は防災教育に力を入れており、班も町内の小学校で「出前講習会」を開いてきた。

 しかし、「南海トラフ」と言っても子どもたちはポカンとした表情。白地図に浸水域の色を塗らせても「楽しかった」で終わり。資料を工夫したり、寸劇にしたりしたが、反応が鈍い。

ボードゲーム好きの先生が発案

 特に、講習後の感想を読むと…

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