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タイ中部ウタイタニ県で2024年10月2日、葬儀に到着したバス火災事故の犠牲者の遺族たち=ロイター
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 タイの首都バンコク近郊で今月、生徒や教員ら45人が乗った貸し切りバスが炎上し、子どもら23人が遺体で見つかった。古い車両の不適切な改造などが火災の原因だった可能性が浮上し、政府がバス業界に規制強化の方針を示すなど、タイ社会に衝撃が広がっている。

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 現地警察や報道によると、バンコク近郊の幹線道路上でバス1台が全焼する火災が起きたのは1日正午過ぎ。校外学習の旅行中だった未就学児から中学3年相当の生徒と教員計45人が乗っていた。このうち8~15歳の生徒20人と教員3人が遺体で見つかり、搬送された生徒3人が、重いやけどなどで重篤な状態という。

 生徒らはタイ中部ウタイタニ県ランサクにある、幼稚園児から中学生までが学ぶ学校に所属。学校関係者によると、同日早朝に出発し、中部アユタヤ県の遺跡を訪問後、同ノンタブリー県にある電力関連施設に向かっていた。

 火災発生直後に現場から逃げたバス運転手の男(48)は逮捕され、無謀な運転や救護措置を怠った容疑などで訴追された。地元紙によると、時速70~80キロで運転中に突如バランスが崩れたと話しており、別の車に接触後、中央分離帯に衝突したという。

 焼失したバスは最初の車両登録が1970年と極めて古く、当初はディーゼル車だったが、天然ガス車に改造されていた。警察によると、燃料タンクの一部は必要な認可を受けていなかった。

「救助を試みたが、後方の扉を開けなかった」

 事故当時、後続のバスにいた…

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