政府が26日まとめた脱炭素社会の実現に向けた国家戦略「GX(グリーン・トランスフォーメーション)2040ビジョン」の素案では、火力発電の脱炭素化についても投資を拡大するとした。本命の一つが、発電所から出た二酸化炭素(CO2)を地中に貯留する「CCS=Carbon dioxide Capture and Storage」だ。政府は急ピッチで事業化をめざすが、技術やコスト面でも課題が大きい。
関西電力舞鶴火力発電所(京都府舞鶴市)に接する港で11月26日、俵型のタンク二つを載せた船が出航した。タンクの中身は、CO2を液化したもの。船は日本海を北上すると、津軽海峡を通り、約1千キロ離れた北海道苫小牧市に向かった。
CCSには地表から1千メートル以上の深い地層であることや、貯留する地層の上にCO2が通りにくい地層があることなどの条件がある。発電所のそばに適地がなければ、船やパイプラインで送らなければならない。
CO2を船で大量に運ぶには…