「小松煙火工業」社長の小松忠信さん(右)と智昭さん=2024年3月12日午前11時14分、秋田県大仙市、室矢英樹撮影 連載「HANABI」第8部 未来へ紡いでいく(3) 小松智昭(36)は消防隊員だった。 東京・多摩ニュータウンを担当する稲城市消防本部に所属し、火災現場、急病患者のもとへ駆けつける生活を送っていた。 【連載(2)】「社長の息子」に向けられた冷たい視線 花火師の心が一つになるまで 退職を申し出たのは2019年秋のことだ。上司は驚いた顔を見せた。 「火消しから、火をつけるほうに回るのか」 驚いた同僚の知識量 「はい、妻の家業を継ぎます…