中学3年生を対象にした今年度2回目のさいたま市独自の学力検査(11月6日実施予定)が、問題漏洩(ろうえい)の指摘を受けて急きょ中止された問題で、実施主体の市中学校長会と市教育委員会は、2回目の実施はとりやめ、管理体制を見直したうえで来年1月の3回目の検査は予定通り実施する方針を明らかにした。
市教委が6日の市議会常任委員会で説明した。学力検査(5教科)は年度内に3回実施し、進路指導などに使われている。
市教委によると、中学3年の保護者を名乗る人物から、スマートフォンで撮影された検査の問題が生徒間で共有されているという趣旨の匿名の投書があり、画像も同封されていたという。
漏洩の経緯などはまだ判明していないが、校長会の小熊誠会長(市立日進中校長)は来年1月8日の3回目の検査の実施に向け、施錠を厳重にして管理職がカギを所持するなど、問題の保管を徹底すると説明した。
2回目の学力検査の問題は、進路指導にいかす学力検査としては活用せず、各校で11月中に実施した実力テストの問題として使ったという。
学力検査は一部の私立高校では合否の参考にしているが、今回は順位付けなどのデータ処理はしていないという。
委員会で市議からは、漏洩が指摘された問題を使ってテストを実施したことについて異議が出たが、校長会と市教委は「あくまで実力をはかるもの」と説明し、問題はないとの見解を示した。